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【ミライの弁護士】第2回 『弁護士』を定義せず、新時代に挑む  Interviewer & Written ぽんぽん
弁護士 若井 亮先生
若井綜合法律事務所

【ミライの弁護士】第2回 『弁護士』を定義せず、新時代に挑む  Interviewer & Written ぽんぽん

0.はじめに

こんにちは!ぽんぽんです。

司法試験終了後も、私たち司法試験・予備試験受験生は『どこに所属するのか』問題の渦中に放り込まれます。

弁護士という職業柄、優劣競争からはもはや逃れられないにしても、せめて、掌中にできる限り多くの選択肢を持ちたいものです。

そのためには、就活生・採用側の双方において『真実の情報』に触れることができる場が必要だ、という観点から「ミライの弁護士」シリーズはスタートしました。

ここでは、様々な法律事務所・企業で働く弁護士の方、法務部の方にインタビューさせて頂き、その魅力・業務内容・なぜそこで働くことを選んだのか等、これらから法曹となる皆さんが職場を選ぶ際に「知りたい!」と思うであろうことをお聞きしていきます。

「司法試験に合格した後、どんな事務所で、どう働きたいか?」

現場の生の声をお届けすると共に、これからの時代の弁護士の魅力をお伝えすることで、皆さんが今後の進路を選択される際の一助となれば幸いです。

 

1.若井綜合法律事務所の特殊な取扱分野 ポイントは“隙間”

1-①詐欺・消費者被害

ぽんぽん(以下、『ぽん』):今日は、東京・池袋にて若井綜合法律事務所を開設されている若井亮先生にお話しを伺っていきます。御所では離婚・男女問題、債権回収、遺産相続、刑事事件といったいわゆる「街弁」の先生方が多く取り扱っていらっしゃる範囲以外にも、詐欺・消費者被害や不動産建物売買、さらにホストクラブ売掛債権など、あまり伺ったことのない分野を得意とされているとのことですが、これらの分野に力を入れているきっかけ・背景等を教えていただけますか。

 

若井先生(以下、敬称略):私は2013年11月に独立開業しましたが、それまで大規模事務所で労働事件を専門に10か月程度勤務をしたのみで、特別に案件を獲得するルートを得た訳ではなかったんです。そのため、相談数が多く、競合が少ないマーケットを開拓していく必要がありました。

詐欺・消費者被害は、相談数が多いものの、証拠が少ない案件、相手方に連絡が取れない案件が多く、通常のやり方では被害金の回収というゴールに到達することが難しかったため、他の弁護士が積極的に取り扱っていませんでした。他方で、被害救済のニーズは強いものがあったため、それならば時間があり、フットワークに自信のある自分が勝負すべきだろうと思い、取り扱いを開始したのがきっかけとなり、今では弊所の最初の柱ともいうべき類型になりました。

 

ぽん:なるほど、先生は修習を終えて最初の事務所に就職してからわずか10か月で独立されたとのことですが、短期独立の背景はどういったものでしょうか。

 

若井:もともと社会人として会社勤めをしていたのですが、「会社名の下ではなく、自分自身の名前で勝負したい」という気持ちから「独立できる資格を目指そう」と法曹を志しました。なので、「弁護士としてやっていける」という自信がついた時点での独立は、自分にとって自然な流れだったと思います。もっとも、まさか10か月で独立とは、さすがに自分でも予想していませんでしたが(笑)

 

ぽん:先生の「やっていける」という確信が正しかったからこそ、今があるのだと思います…!

この『詐欺・消費者被害』が最初の柱となる分野ということですが、この分野への取組みを通じ、どういったことを実感されていらっしゃいますか。

 

若井:弁護士として可能な限り工夫することの重要性を学びました。この分野は、先ほど述べた通り解決が難しいという特徴があるのですが、一方で、依頼者の「絶対にお金を返してほしい」期待値が極めて高い事案が多いです。

民事事件においては、弁護士が事件解決に向けての最後の牙城になるわけですから、仮に解決ができないあるいは難しい事案であっても、依頼者に業務報告や最終的な説得をいかに行うべきかに腐心し、依頼者との信頼関係構築やその維持することの重要性や難しさについて多くを学んだと思います。

 

ぽん:なるほど、仮にお金を回収できない等、依頼者にとって期待通りの結果にならない場合でも、弁護士側が真摯に結果に向き合うことが依頼者との信頼関係構築につながるということですね。

 

1-②ホストクラブ売掛金整理

ぽん:実は、初めてこの分野の名前を聞きました。若井先生がこの分野を扱うきっかけを教えて頂けますか。

 

若井:先ほどの詐欺などと同様、ニーズはあるが競合が少ない分野を開拓するというのが、弊所の集客の基本スタンスです。ホストクラブ売掛金整理は、相手方がホストクラブや担当ホストになり、しかもその取り立て方法が通常とは異なり、荒々しい場合が多い点が異なりますが、内容は債務整理と同じと考えています。

何度もメールやLINEが来る、家に来る、実家や職場に来る、時に暴力をふるう、風俗やアダルトビデオ業界での仕事を強要されるなど、債務者であるホストクラブの利用客は追い詰められることが多々あります。

しかしながら、彼女たちには「自分たちは救済される立場だ」という考えがこれまでなかったんです。弁護士が積極的に潜在クライアントに対する集客を行い、弁護士が対応すればそういった状況を改善できるということを周知してこなかったため、弁護士に依頼できる問題であるとの認識がそもそもなかったんですね。

そこで、弊所が専門サイトを作り、積極的な集客を行って、相談・依頼を受けるようになったという経緯です。

 

ぽん:「自分は助かるかもしれない」と潜在クライアントに向けて発信することは、ある種の啓蒙活動だと思います。御所に相談すれば助かるかもしれないと認識してもらうため『ホストクラブ売掛金整理』専門サイトを開設されたとのことですが、このサイトの認知力アップのために意識されたことはありますか。

 

若井:あります。専門サイト制作をweb専門の方に依頼したことです。弁護士が「簡単」「こういう意味」と思うことであっても、やはり一般の方に伝わりにくいことは多々あります。また、必要な方に情報を届けるには、SEOの観点からも評価される必要もあります。このズレを最小限に抑えるため、専門サイト制作は外注しています。

 

1-③不当要求対策

ぽん:御所では不当要求対策という分野も取り扱われているとのことですが、この分野を扱うきっかけはどのようなものでしょうか。

 

若井:不当要求の定義としては、法的根拠のない請求や法的根拠があっても過大な請求を、暴力や脅迫といった不当な手段によって通そうとする行為、と言えるかと思います。そして、不当要求への対応とは、かいつまんで言えば、恐喝されている、脅迫されている、強要されているという依頼者の代理人となって相手方の揺さぶり行為をブロックしつつ事件処理を行うというものです。

本来、この分野は、弁護士に相談しても「警察へ行ってください」というアドバイスで終わっていたものですが、警察では事件として処理し得るだけの成熟性が必要ですので、相談に行っても、今度は「弁護士に相談してください」と言われるなど、警察⇔弁護士間をたらい回しにされているような、誰に相談すれば良いのか曖昧な状況にあったんです。

この警察⇔弁護士対応の間隙に着目したのが、この分野を開拓しようと考えたきっかけです。

 

ぽん:なるほど、先生が常に「集客を可能にするマーケット」を探す姿勢でいらっしゃったことが良く伝わってきます。

 

若井:そうですね。既に述べたとおり、類型的には債務整理や男女トラブル、労働事件、損害賠償事件などの従来のカテゴリーに含まれるものを「相手方の属性や請求の態様に着目し、弊所が扱うオリジナルな類型に再構築」して集客を行い、マーケットを開拓していると言えるでしょう。

 

2.若井綜合法律事務所を知る

2-①.『クライアントのために親身になって対応』するという理念は「永遠に目指すべきもの」

ぽん:御所のホームページを拝見したところ、トップページに『すべてのクライアントのために親身になって対応し、弊所と関わりを持って良かったと思ってもらうことのできる事務所』を目指すと明記されており、クライアントに敷居の高さを感じさせないよう心を砕かれていると感じました。御所の理念についてぜひ詳しくお聞かせください。

 

若井:親身になって対応する、依頼者に寄りそうという理念を掲げている事務所は多いですが、「親身」とか「寄り添う」ということの具体的な意味は明らかになっているか?というと、一般の方にとっては、おそらく、分かったような分からないような、何となく手厚くやってくれるんだろうという程度の認識であると思います。

弊所ではこの理念を可能な限り「具体化」して行動に落とし込むことを意識し、基本的には「自分がクライアントの立場であったら何を求めるか」ということを常に意識することを指導しています。

 

ぽん:御所には複数名の弁護士が在籍されていらっしゃいますが、この理念を事務所の「風土」や「文化」として根付かせるために、どういったことをされているのでしょうか。

 

若井:この理念を自分の中の「哲学」レベルに落とし込んでもらうため、弊所ではOJTを3か月程度徹底して行い、その後も所内で密な連携を取れるよう様々な段階で会議を設定するなどの工夫を行っています。コミュニケーションを緊密にとる、といった点が特に大きいと思います。

私自身は、この理念を「実現できた」と思ってはいけないと常に自分を戒めています。理念とは「永遠に目指すべきもの」であって、決して完成・実現しないと考えることで、常に意識し、実現に向けて行動できると考えているからです。

今も、理念と現実との狭間で苦しみ、悩み、緊張感のある日々を過ごしています。

 

ぽん:「理念は永遠に目指すべきもの」という言葉はとても胸に響きました。クライアントは日々移り変わり、どんどん新しい問題が生じるので、完成がないのは当然のことですね。常にクライアントファーストな若井先生ならではのお言葉だと思います。

御社の理念を体現された取組みはあるのでしょうか。

 

若井:もちろんあります。例をいくつか挙げると、

  1. 無料法律相談の類型を限定せずに実施
  2. 対面の面談のみならず、電話、メール、LINEでの相談実施
  3. 緊急性のある類型には弁護士直通の携帯電話番号を案内
  4. 無料法律相談における価値を意識
  5. クイックレスポンスや徹底した報告を意識
  6. 徹底した報告を意識
  7. 専門サイトでの徹底した情報提供を意識 等多々あります。

特に意識しているのは、『無料法律相談における価値を意識する』点でしょうか。例えば、弊所では弁護士が対応可能な法律に関する案件はもちろん、法律問題でなくとも、経験則等を駆使して不安を解消することのできる価値を提供するよう、所員に指示を出しています。

目指すべきは、相談した方が恐縮するくらいの価値の提供と考えていますので、情報の出し惜しみはしないよう心掛けています。

 

ぽん:無料法律相談からは当然収益は上がらないわけですが、この点に注力される最大の理由は何でしょうか。

 

若井:無料法律相談の真価は、その後の受任につながるかではなく「クライアントから感謝して頂けるか」にあると思うからです。仮に受任しなくても、感謝して頂けるとその後のクチコミや評判につながるので、無料法律相談は、実は事務所の価値を提供する絶好の営業の機会となります。また、クライアントからの感謝は、お金だけではない充足感を与えてくれます。この点も理由の1つです。

 

2-②.『親身になって対応する』ことで若井綜合法律事務所が創造するミライ

ぽん:御所のホームページにて、若井先生からのメッセージとして「激しい時代の中で忘れがちな『親身になって対応する』という弁護士の基本姿勢を常に意識」するとの記載に大変感銘を受けました。

法律業界においても様々な新しい分野・技術が導入されるようになり、どんどん発展していく一方で、クライアント在りきのサービス業であるという最大の本質は変わらないように思います。若井先生がこれを理念に据え、常に目標とされるようになった経緯・エピソード等ありましたらぜひお聞かせください。

 

若井:ご指摘のとおり、弁護士業務もサービス業の一つと意識することにはプラスの面もありますが、マイナスの面もあると思います。ビジネスである以上、無料法律相談において提供できる情報が制限される等もあるでしょう。

しかしながら、クライアントが求めているのは究極的には不安の解消であり、弁護士としての法律を用いた業務はその中核にはあるものの、その周辺部分、すなわち法律面以外での不安の解消もクライアントのニーズに応える重要なパートであるはずだと考えています。

無料法律相談の結果、受任に至らずとも「気持ちが楽になりました」「先生に相談して良かった」というリアクションを得ることがあります。究極的には、このようなリアクションを得ることが弁護士の役割であると私は考えています。

 

ぽん:こういった対応を重ねていくことは、一見、受任できなければ収益につながらず目先の利益に直結しないように思いますが、若井先生や若井綜合法律事務所のファンは確実に増加し、「ファンがファンを呼ぶ」といった将来の利益を生み出す構図があるのではないでしょうか。

 

若井:まさにその通りですね。弊所は顧客の9割が個人でのweb問い合わせですので、企業の顧問先といった収益の安定供給ルートがない状況にあります。しかし、こうした無料法律相談等の充実により、ファンを着実に増やすことで、個人の顧客であっても安定供給ルートをクチコミで確保するやり方はあると考えています。

こういう考えに至ったのは、当職が「他の弁護士があまりやらない類型」の弁護を多く受けてきたことも関係しているのでしょう。

弁護士や警察に相談しても、具体的な価値を得られなかったというクライアントに多く接し、弁護士の職域による限界はあるが、一人の人間として一つ一つの案件に向き合い、全人格をもって対応すれば、ビジネスとして直接結果に結び付かなくとも、不安の解消や緩和を提供することができることを知りました。もちろん、ビジネスの側面はある以上、上記だけではご飯は食べていけませんが、ただ、経済的なリターンに匹敵するほどの充足感を与えてくれるのがクライアントからの感謝の声であると感じています。

 

ぽん:弁護士はサービス業とよく言われますが、誰かの人生の重要局面で手を差し伸べ、思いやりを実践した結果、心からの感謝を受け取ることが出来る職業はそう多くないと思います。私自身、この職業を目指して良かった、と改めて感じさせていただきました。

 

2-③.若井綜合法律事務所が採用で重視するのは『相性』―その中身とは?

ぽん:採用の際に最も重視されている点について教えてください。

 

若井:修習生、経験弁護士の別を問わず「相性」を最も重視しています。弊所の事業ステージでは、候補者に特殊な知識や経験を積極的に求めている訳ではありません。弁護士としての基本的な業務は座学やOJTを通じて指導可能ですし、特別に能力面で求めていることはありません。

 

  • 事務所の雰囲気との相性

相性が良くないと悲劇です。具体的には、まず弊所の雰囲気を心地よいと感じられるか。弊所は極めて「自由」な環境であり、代表、パートナー、勤務弁護士、事務局など肩書はあるものの、フラットな組織です。誰もが自由に意見を発し、組織で共有したうえで、良いものはどんどん取り込んでいきます。やりたいことは手を挙げれば可能な限り組織のバックアップを行いますので、この「自由」で「フラット」な環境を楽しめるかというのが重要なポイントです。自由は責任を伴うので、積極的に責任を負い、そこで勝負することを楽しめるかということですね。もちろん、責任を追及し、追い詰めるようなブラックなことはしません。失敗は次のステップの糧として共有し、ともに改善策を考える体制を整えています。

 

  • 既存の従業員との相性

弊所の既存従業員との相性も重要です。弁護士の仕事は、相手方のみならず、時に依頼者との関係においてもストレスを感じざるを得ない場面があります。ここで頼りにできるのは、究極的には仲間である事務所の同僚です。弊所はフラットな組織で、肩書の別なく仲が良く、相互に仲間として尊重をしています。一緒に働く仲間を尊重することができるかどうか、ここも重要なポイントですね。

 

  • キャリアビジョンと事務所の方向性との相性

最後に、候補者のキャリアビジョンと弊所の方向性との相性も重要です。弊所はまだ3期目の事務所であり、個人のクライアント中心の事務所です。今後、法人のクライアントを開拓していきたいという意向はありますが、まだ時間がかかるでしょう。このような事務所の環境が候補者の希望と合うか。具体的には、集客に携わりたい、新しい事業を立ち上げたい、組織づくりに関わりたいという希望があるかどうかや、将来的に独立を希望することは必須ではないが、ある程度、具体的に、自分が中心になって事業を進めていきたいという希望がある方のように、将来のビジョンを自分自身で考え、構築し、対外的に発信できる方が向いているかもしれませんね。

 

ぽん:弁護士業務に対し熱意や情熱を持っているにもかかわらず、法科大学院での成績が振るわないことや多浪生であることを気にして、就活に一歩踏み出せない方もたくさんいます。若井綜合法律事務所では、このような点はどのように捉えていらっしゃいますか。

 

若井:弊所で見ているのは上述の『相性』、一言でまとめると『就活生自身の目標や夢を弊所で実現できるか?』という点です。この点には、学歴も成績も多浪生であるかも関係ありませんので、これらは特に見ていません。便宜上、成績を提出して頂くことはありますが、選考の中心ではありません。実際に、弊所は司法試験合格まで苦労した弁護士が多数在籍しています。彼ら・彼女らは合格まで苦労した分、「弁護士になって必ず活躍する」という強い気概があり、こういった点を高く評価し採用に至っています。

 

ぽん:御所では、就活生自身の発言の裏側や背景をよく見ているということでしょうか。

 

若井:そうですね。例えば、「企業法務をやりたいです。」「困っている人の役に立ちたいです。」とおっしゃる就活生はたくさんいますが、私はその気持ちの裏側を知りたいと考えています。なぜそう考えたのか、その分野をやりたいと思ったきっかけは何なのか等、目の前の就活生のバックグラウンドが知りたいですね。

 

ぽん:不当要求対策など、御所ならではの分野を念頭に置いたときに、採用したい人材の特徴はあるのでしょうか。

 

若井:やはり、「ひるまない」という意味でもガッツがある方がよいのかな(笑)ただ、その面だけを見ているわけではないですし、必要不可欠でもないです。やはり、仮に「不当要求対策をやりたいです!」と言ってくれる就活生がいたら、やはりそう思った理由、気持ちの裏側をお聞きしたいですね。

 

ぽん:成績や学歴、語学などの特殊技能といった単なる外見ではなく、自分の考えの根源や法曹として描くビジョンについて興味を持っていただき、丁寧に掘り下げて頂けるというのは、就活生にとってとても嬉しいことだと思います。

御所の報酬体系についても答えて頂けるとのことですが…どのような体系でしょうか。

 

若井:弊所では「個人事業主的側面」があることを重視しており、固定の賃金はそこまで出しておらず、インセンティブの割合が多く占める報酬体系です。そのため、勤務開始直後は案件も少なく、報酬に対して不安に思うところもあると思います。しかし、ここをリスクとしてだけでなく、チャンスととらえることができるかも重要なポイントですね。頑張れば頑張っただけリターンがありますから。

もちろん、入所直後から「自分でやれ、やらなければいつまでも上がれないぞ」というスタンスではなく、売上が安定するまではきちんと指導と配慮を行っています。現在までの採用例を見る限り、リスクが現実化し、全く報酬を確保できないという弁護士はいませんので安心してください。

先に述べた「個人事業主的な側面」とは、弁護士である以上、どこの事務所に行っても意識すべきところです。クライアントは、一部の大きな事務所を除き、事務所ではなく、担当した弁護士に依頼したという認識を持っています。相談を受けて、受任し、事件処理をして、清算をするまで、クライアントとは一対一の真剣勝負となります。

業務を経験しない段階で上記の点を具体的に理解することは難しいと思いますが、ああ、そんなものなんだなあと頭に留めつつ、修習を通じて、いつも自分は個人として見られ、個人として責任を負うべき立場なんだなあと学んで欲しいと思います。

 

4.若井亮先生が見る『ミライの弁護士』

ぽん:AIの登場により、弁護士の業務領域は縮小傾向に向かうと言われています。若井先生から見て、まだまだ弁護士が結果を残せる領域はあると思いますか。

 

若井:僕自身は、弁護士の活動領域はまだまだ拡大できると思っています。近年様々な分野が開拓されつつあり、弁護士の業務分野も増えてきています。

その一方で、一般の方にとっては「自分の抱える問題が、弁護士が関わることで解決できるのか?」不明確な部分も多いですから、『誰もが簡単に法情報にアクセスできること』を念頭に置きつつ、弁護士が関わる領域を広げていくことは十分可能だと思います。

 

ぽん:弁護士が関与可能な領域を今後も拡大していくためには、やはり「弁護士に相談できる」ということをクライアントに周知していく必要があるように思います。

一方で、今後AIが発展していくことにより、弁護士に相談する前にAIの判断を仰ぐ等、弁護士よりも敷居を低く法律にアクセスできる状況になるかもしれません。AIに負けない弁護士とはどういった人物だと思いますか?

 

若井:私は今後AIが進化しても、弁護士の需要はまだまだ残ると考えています。仮にAIが弁護士より優れた判断や選択肢を導き出したとしても、その中から『どれを選ぶのか』『何がベストなのかを納得してもらう』ことはAIには難しいでしょう。

弁護士一人ひとりが様々な経験則、人生経験、自身の哲学、何より自らのクライアントに対する理解を用いて、最適解を提供することが出来たなら、この点はAIに決して負けない強みになると考えています。

『弁護士という職業はこういうことをするんだ』と弁護士を定義してしまい、活動範囲を自ら狭めるのではなく、目の前のクライアントのために何か出来ることはないか?と考え、弁護士がやれることを増やしていくことが重要ではないでしょうか。

 

ぽん:頭を柔らかく持ち、クライアントを軸として弁護士の自分にできることや可能性を探っていくことが重要だということですね。こうした思考力や積極性を問われる時代で生き残るには、単なる学力等では測れない適性があるというのも頷けます。

この先の時代を、先生が一緒に戦っていきたいと思われる就活生はどういった人物でしょうか。

 

若井;やはり、弊所との相性が重要だと思っています。そのためには、採用面接でも普段通りの自分で居てもらうことを期待しています。面接での問答で答えを探す必要はないですし、そもそも、答えなんてものはありません。弊所では仲間を探す作業と位置付けており、皆さんにも仲間探しなんだという意識を持って欲しいです。

あと、個人的には、野心がある方が好きです。最初から完成している必要はありません。そもそも弁護士として完成することなどあるのでしょうか。足りないことはたくさんあれど、目だけは大いなる野望に向かっている修習生がいれば、是非一緒に働いてみたいです。

 

ぽん:様々なお話をありがとうございました!御所のクライアントファーストの目線と、所員が一致団結して目の前の問題に全力で取り組む姿勢、そして、外形に囚われず『相性』を深堀りしながら仲間を探す姿勢を、多くの就活生に届けることが出来ればと思います。

 

最後に、御所との相性チェックの場は採用面接以外にありましたら教えて下さい。

 

若井:弊所では、サマークラークや事務所訪問といった機会は特別設けていません。しかし、就活生の方からのお申出は喜んで対応致します!

 

ぽん:就活生自らの手で「サマークラーク」や「事務所訪問」の機会を創り、自分から飛び込んできてほしいということですね!

 

若井:そうですね。見たいもの、経験したいことはできる限り提供いたしますので、挑戦者をお待ちしています!

 

5.インタビュー後記

若井先生は自らが『挑戦者』として、事務所の設立当初から様々なことにコミットし、オリジナルな分野を再構築してこられた先生です。

しかし、その歩みは決して行き当たりばったりではなく、ご自身の確固たる哲学に基づく非常に緻密なものでした。

事務所経営の方向性、採用する人物像等を丁寧に考え、検討し、『理念に向かって共に併走出来るだけでなく、自身も明確な夢や目標を持ち、事務所内で叶えてしまおう!との気概を持つ人物』という仲間像を若井綜合法律事務所では描いていらっしゃいます。

『自らの力でミライを切り拓きたい』という方は、ぜひ採用にエントリーするも良し、サマークラークや事務所訪問を自ら提案するも良し、恐れずに一歩踏み出してみてはいかがでしょうか。

あなたの夢や目標を叶える一歩になることを心より願っています。

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