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【ミライの弁護士】第1回 アドバイザーからプレイヤーへ―スタートアップで働くという選択肢 Interviewer & Written ぽんぽん
酒井智也先生
株式会社Hubble

【ミライの弁護士】第1回 アドバイザーからプレイヤーへ―スタートアップで働くという選択肢 Interviewer & Written ぽんぽん

目次

0.はじめに

こんにちは!ぽんぽんです。
今回より「ミライの弁護士」連載がスタート致します。

ここでは様々な法律事務所・企業で働く弁護士の方、法務部の方にインタビューさせて頂き、その魅力・業務内容・なぜそこで働くことを選んだのか等、これらから法曹となる皆さんが職場を選ぶ際に「知りたい!」と思うであろうことをお聞きしていきます。

「司法試験に合格した後、どんな事務所で、どう働きたいか?」

現場の生の声をお届けすると共に、これからの時代の弁護士の魅力をお伝えすることで、皆さんが今後の進路を選択される際の一助となれば幸いです。

 

1.インタビュー:株式会社Hubble・酒井智也先生~アドバイザーからプレイヤーへ―スタートアップを経営するという選択肢

第1回目となる今回は、株式会社HubbleにてCLOとしてご活躍中の酒井智也先生にお話を伺いました。酒井先生は法科大学院修了後、企業法務系大手法律事務所にて活躍されていましたが、2018年に株式会社Hubbleに参画され、現在同社のCLOを務めていらっしゃいます(酒井先生のTwitterアカウントはこちら→@t_sakai_Hubble)。

大手法律事務事務所を辞めスタートアップベンチャー企業を経営することを選んだ経緯や、現在のお仕事内容、株式会社Hubbleでのインターンについてお聞きしました。

 

Q1.株式会社Hubbleが提供するプロダクトとは?

ぽんぽん(以下、ぽん):
今回はインタビューを快諾頂きありがとうございます。

まずは株式会社Hubble(以下、Hubble)が提供していらっしゃるプロダクトについて教えて頂けますか。

 

酒井先生(以下、敬称略):
Hubbleでは契約書等の共有・管理をスマートにするソフトウェアを提供しています。

皆さんも法律事務所に入ると経験されると思いますが、これまで、契約書等の共有にはメールやチャットが使われていました。しかし、法務業務、特に契約業務に関していうと、ドキュメントの存在を前提として多くの関与者を巻き込みながらコミュニケーションを行っていく特性があります。さらに、継続中の案件が複数あり、その案件ごとに複数のドキュメントが発生した場合には、これらの多数発生するドキュメントを複数人で共有しあいながらその背景についてコミュニケーションしていく必要があります。このような特殊性ゆえ、既存のメールやチャットで行う場合には大きなコミュニケーションコストが発生してしまっており、より最適なコミュニケーションのあり方を定義していく必要があります。
Hubbleは法務の方々にとって滑らかで良質なコミュニケーションこそが組織のコラボレーションを生み、クリエイティビティや働きがい、ひいては幸福感に直結すると考えています。契約業務のコミュニケーション部分における大きなマイナスをHubbleが解消することで、法務機能を最大限発揮できる環境の構築を目指しています。

ぽん: なるほど、ホームページ等を拝見したときにはなかなか理解が難しかったのですが、企業の法務部門や弁護士の方の業務に特化し、ドキュメントに関するコミュニケーションを円滑にする新しいソフトウェアということですね。

 

Q2.スタートアップベンチャー企業のCLOとしての、現在の仕事内容について

酒井先生は現在HubbleでCLO(最高法務責任者)として活躍されていますが、どのような業務に携わっていらっしゃるのでしょうか。

 

酒井: 私たちの会社はいわゆるスタートアップに当たります。スタートアップの経営は全てのことをやっていかなければならないという意味で「総合格闘技」とよく言われるのですが、弁護士資格を持っている私も戦略構築・営業・機能実装のロードマップの策定・採用・資金調達…何でもやります。

投資家との交渉の中で契約条件を詰めていくというときには弁護士資格を有する者としての色が強くなりますが、基本的には資格にとらわれず『経営にまつわることを全部やっている』ということになると思います。

ぽん: 司法試験受験生の間でもスタートアップに関する法務の注目度が上がってきていると感じています。先ほど『総合格闘技』とおっしゃいましたが、法律の勉強を法科大学院という専門課程でやっていたことが役立った場面、反対に他の分野の勉強をしていればよかったというご経験はありますか。

酒井: 私のHubbleでの役割は完全にビジネスサイドであり、スタートアップ法務に関心があるという方々の興味の対象の中心からは少し外れると思います。

もっとも、弁護士資格が今のスタートアップの経営に役に立っていないのかというと決してそんなことはなく、法律の勉強や弁護士としての実務の中で学んできた『言葉を使い、表現する』ことが、すべての業務において役立っていると感じています。

逆に、法律家の『過去の事実等を使って今の問題を解決、近い将来の問題を予防する』という思考と、『スタートアップの何十年先の未来を自分で創りに行く』という思考の違いを感じています。偉大な起業家には99人が『不可能だ』と言った未来を見据え、未来から逆算して今を歩んでいける思考があると考えているのですが、その思考は法科大学院や司法試験の勉強の中では学んでこなかったと思いますね。

 

Q3.大手法律事務所を退所しスタートアップへ―その決断の裏側

酒井先生は司法試験合格後大手法律事務所に入所され、何社も顧問を抱えながらも御社へのジョインを決断されたと伺いました。その時、どのように将来を思い描いていらっしゃったのでしょうか。これから法曹となる方々にとっても非常に参考になると思いますので、是非お聞かせください。

 

酒井: 司法試験受験当時、私は『東京の中心でM&Aを処理している弁護士が一番カッコいい』という幻想を抱いていたんですよね(笑)。そして実際に、東京の中心部にある法律事務所でそういう案件をやらせて頂いて、3年半勤務しました。

その中で大企業がスタートアップを買収する案件を担当する機会があり、自分と同世代の起業家が短期間で大きな会社を創り、それを売却し、また新たな事業を展開していく…このようなサイクルを一人の起業家が行っていることを間近で見たときに、社会に対して大きなインパクトを与えるのがビジネス、スタートアップだと感じたんですね。

そこからスタートアップについて考えるようになり、日本の起業家にもたくさん会いに行きましたし、事務所に休みをもらってシリコンバレーに行き、アポを取って現地の起業家や起業家を支援する弁護士にお話を聞かせてもらうこともしました。その後「日本でスタートアップの顧問弁護士になりたい」と考えて、実際に15社くらいから顧問契約をしてもらい活動していました。その中で今一緒にHubbleを経営している早川と藤井に出会い、弁護士として働く以上にわくわくするものを感じたし、彼らと一緒に新しいモノを作って世の中に提言していけるような、まさにアドバイザーからプレイヤーになるほうが自分としては面白いだろうなと感じ、そこで大きく舵を切りました。重大な決断のときには、人との出会いが大きく影響すると感じています。

 

Hubbleに在籍されて数年経ったと思いますが、これからの酒井先生の展望はどのようなものでしょうか。

酒井: まずは、このプロダクトをメンバーと共にどんどん社会に伝えていきたいと思っています。あと、「円滑で心地よいコミュニケーションはそこで働く人みんなを幸せにする」という価値観を社内で大切にしているのですが、契約も法人と法人のコミュニケーションだと思いますので、この価値観に基づいて、これからの時代の契約の在り方にイノベーションを起こすような未来をHubbleで実現したいと思っていますね。

 

Q4.スタートアップ企業法務の魅力とこれから―スタートアップCLOの意見を聞く

スタートアップベンチャー企業法務を得意とする法律事務所が増え、この分野を志望する修習生も増えています。

酒井先生は先ほどご自身は「ビジネスサイドの人間だ」とおっしゃっていましたが、先生から見たこの分野の魅力、これからどう発展すると考えていらっしゃるかについてお聞かせください。

 

酒井: これも僕なりに考えがあったので、事前にちょっとメモをしておきました。読ませて頂くと…例えば、FacebookやGoogleもスタートアップとして、世の中に新しいプロダクトを提供し、急成長していった企業であり、そういった会社に寄り添い、関われるというのはやはりスタートアップ法務の最大の魅力だと思います。

ただ、今後、スタートアップ法務分野はどんどんコモディティ化(筆者注※スタートアップ法務に関わる弁護士が増加し、代替可能になること)していくと思います。どの弁護士でもある程度スタートアップ法務を提供できるようになる…正直、厳しい戦いになるでしょう。その中でも競争力をもちうる弁護士は以下のような方なのかなと思っています。まず思うのは、これからはスタートアップの現場でビジネス経験を積んだ弁護士が一定数現れると思っています。彼らは投資家とどのようなコミュニケーションを行いながら資金調達を進めるか等の現場を踏まえたアドバイスができると思いますし、自らスタートアップの企業価値向上に寄与するための働き(時にはリーガルの範囲ではないアドバイスかもしれません)を進んで行っていくこともできるかもしれません。これはドラフトの中だけでのリーガルチェックを行うことができる弁護士とは明らかに価値が異なると思っています。

もう一つは、大量の案件をさばいていける基盤を造ることができた事務所や弁護士です。一般にコモディティ化した領域において競争力を持ちうるのはこのようなプレーヤーだと思います。この『基盤』というのは、おそらくこれまでの法律事務所では導入されていないような営業の仕組みを組織として構築することだと思うんです。僕らが行っているSaaS(Software as a Service)と呼ばれるビジネスの営業は、『THE MODEL』と言われる方法論が一定確立しており、営業を組織として行っていくことが当然の前提となっています。このような方法論を確立している事務所はまだまだ勝ち残っていける分野だと思います。また、大量の案件を獲得した後にそれを最小リソースで効率的にまわしていける『基盤』として、リーガルテック等を利用して、アナログな部分を一切排除して効率的な環境をつくることも重要だと思っています。このような事務所を造っていければまだまだトッププレイヤーになれると思っています。


◆The Modelとは

https://www.salesforce.com/jp/hub/sales/the-model/


Q5. 弁護士として『幸せ』に生きる―Hubble社での『幸せ』の定義とは?

Hubble社の「メンバー全員が幸せに満ちていて、ここにいる意味を感じ、成長を実感し、豊かになっていけるようにしたい」という考えに大変感銘を受けました。この「幸せ」「ここにいる意味」「成長の実感」はすべてお金で買えるものではなく、これからの時代を担う人達が就活の際に給料・待遇といったことに加えて気にしているポイントだと思います。

Hubble社にいらっしゃる酒井先生の『幸せ』について現在のお考えをお聞かせください。

 

酒井: 個人的には『好きなクライアント、好きな人と仕事ができる』というのが一番幸せな状況だと思うんですよね。これは、「若手が何を理想を語ってんだ」って先輩の先生方からお叱りを受けるかもしれないですが…(笑)

僕は、幸せ=①仲間や大切な人と時間を過ごせること②社会に価値提供できていることを実感できること③自分の成長を感じられること、この3つと考えています。

①は、どんな大変なことでも信頼している仲間との体験であれば必ずいい思い出に変わるということ。誰と仕事をするかは最も大切だと思っています。法律事務所はいい意味でも悪い意味でも、「組織としてのチーム」というより「個の集合体」という感じのところが多いと思います。Hubbleでは全員で追う目標があり、それを各人の役割に応じて目標を定め、それを各人が追いかけますが、チーム全体で目標を達成しに行こうというところが極めて強いです。スタートアップの一つの魅力だと思います。

②については、弁護士業務も目の前のクライアントに大きな価値提供ができる素晴らしい仕事だと思う一方で、社会に与えるインパクトの大きさ、広さはやはりスタートアップの方が大きいと思います。成功したスタートアップというほうが正確かもしれません。社会の見え方や人々の生活を変えていく、そのようなより広範かつ大きなインパクトのある価値提供をしてることにやりがいを感じます。

③については、スタートアップの場合、会社が非連続的に成長していきます。Hubbleもコロナ以降、売上が急速に伸びていき、組織も拡大し、半年前の組織と全く異なる姿になっています。その中で、経営者としてあらゆる初体験のことを日々乗り越えていかなくては行けず、自分の考え方もどんどん変わっていきます。Hubbleは日本を代表する投資家の方にも支えられており、そのようなすごい人と一緒に働く中で自分の考えがアップデートされていく場面も多いですし、そもそもこのHubbleという「法人」が急成長していくので、その組織にぐいぐい引っ張られながら自分も成長していると感じます。

Q6. 主に2021年司法試験受験者対象!Hubble社インターン概要

ここからはHubble社での長期インターンについて詳しく教えてください。まず、対象は司法試験受験者限定なのでしょうか。

 

酒井: 対象はあまり絞っていないのですが、新しい挑戦を通じて成長して頂くためには一定のコミットが必要だと思っており、週3日以上はインターンに参加できる方を募集しています。

また、法学部生や法科大学院生で応募してくださる方もいらっしゃるのですが、まずは司法試験に向けた勉強に全勢力を割いて、最大の目標を叶えてほしいと考えていますので、司法試験の受験を終えられた方を主に採用しています。まずは勉強にフォーカスし、試験を受けた後でも全然遅くないですよ!

ぽん: 参加期間は長期なのでしょうか。

酒井: 参加期間は長ければ長いほど良いので、司法試験終了後の5月中旬以降~修習開始直前の11月末の約半年を想定しています。これまでの参加者の成長ぶりを見ていると、半年でも十分な成長を感じて頂けると思います。もちろん、相談にも応じて柔軟に対応致します。

ぽん: 去年のインターン生の方1名は大阪から参加されていたとのことですが、東京に行かなくても参加できるのでしょうか。

酒井: オフィスは東京ですが、勤務は基本的にリモートでもOKです!普段は遠方のご自宅から参加し、1週間程度オフィスに来たいという場合には交通費・滞在費を支給しています。

ぽん: 大変お聞きしにくいのですが…日当等はあるのでしょうか。

酒井: 時給でお支払いしています。値段は、司法試験を終えられた後に皆様がやられるアルバイトより出していると思います(笑)。

ぽん: これまでのお話でHubble社の様々な魅力を伝えて頂いたのですが、御社のインターンに参加するとどのような経験ができるのでしょうか。

酒井: これまでのインターン生にはビジネスミーティングにはほぼ出席してもらいましたし、企業の法務部を訪問し商談する場への同席や、マーケティング施策等を一緒に考えることにも参加してもらいました。

法律を使う場面としては、資金調達の際に実際の投資契約書を見てもらい、前回と今回での矛盾点や次の契約時点での留意すべき点を検討するといったスタートアップ内部にいないと経験できない『事業経営+法律』といった生の現場を体験して頂きました。また、日経にも取り上げて頂いた『OneNDA』というプロジェクトを行う際には、プロジェクトの内容に即して契約の基本に立ち返った議論をインターン生と行いました。法律分野にも多く関わって頂けると思います。

ぽん: なるほど。インターンに参加するためにはやはり選考を突破しなければ!ということで、Hubble社のインターン選考過程について教えてください。

酒井: まずは応募して頂き、書類選考として①週3日以上働けること、②Hubbleでインターンしたい!というやる気を拝見し、その後酒井との面談を経て、基本的に選考終了ですね。

 

Q7. これから法曹を目指される方へ―周囲にも自分にも縛られない選択を!

最後に、これから法曹を目指される皆さんに期待すること・エールをお願い致します。

 

酒井: せっかくの機会なので、お伝えしたいことをこれもメモしていたのですが…

僕自身、法律事務所に入った後、スタートアップに行くか行かないか考えていた時、周りの声に左右されることはあまりなかったのですが、過去自分が積み上げてきたものや経験をここで一旦ストップすることには一定の抵抗がありました。どうしても自分が頑張って取得した資格に固執してその範囲の中でキャリアを考えようとしてしまいがちでした。

正直、まだ何も結果を出せていないのでまだエールではないですが、今考えるところでは、周りに影響されずに、そして過去の自分にも縛られずに、自分が大切にしている価値観に忠実にキャリアを選択して頂きたいですし、それが法曹以外の働き方ということも十分あり得ると思います。

僕もまだまだ挑戦の真っ最中ですが、自分の価値を最大化して、社会に大きな貢献を残していける方がたくさんいらっしゃると思いますので一緒に頑張りましょう!
Hubbleでのインターンのご応募、お待ちしています!

 

2.インタビュー後記

酒井先生は、仕事、ご自身の興味、そして社会貢献を分断することなく、すべてを軽やかに結び付けて働いておられる姿がとても印象的でした。

ともすれば「仕事は仕事」「趣味は趣味」と分けてしまいがちですが、これらをひとつに結び合わせることで日々の行動すべてが意義のあるものになり、まさに『幸せに働く』ことにつながるのだと思います。

株式会社Hubbleでは、令和3年司法試験受験者の方向けにインターン参加者を募集中です!奮ってご応募下さい↓

※長期インターンの募集は終了いたしました。

https://bengoshi-kyujin-navi.com/1338/

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