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司法試験(経済法) written by 76期弁護士 佐藤 和樹

司法試験(経済法) written by 76期弁護士 佐藤 和樹

1 はじめに

今回は、司法試験・予備試験の経済法の勉強方法についてご紹介します。

経済法は司法試験・予備試験の選択科目の1つです。もっとも、経済法になじみがある方は少なく、そもそも経済法とは何かについて詳しくない方が多いと思います。

そこで、今回は、経済法とは何か、勉強方法、試験内容等について詳しくご紹介します。この記事を読めば経済法の司法試験・予備試験の内容につき、具体的に知ることができますのでぜひご一読ください。

 

2 経済法について

司法試験の経済法で出題されるのは、主に独占禁止法です。独占禁止法とは、事業者間の価格競争に悪影響を与えるおそれのある事業者の行為を規制する法律です。

あまりなじみのない方が多いとは思いますが、端的にいうと、経済活動の合理性・公平性を担保するために経済法がある、といったイメージをもつとよりわかりやすいでしょう。

 

3 経済法の特徴

ここでは経済法の特徴について詳しくご紹介します。

 

1 暗記量が少ない

経済法は他の科目と比較しても、絶対的な暗記量が少ない科目です。覚えるべき量が少ないため、科目1つに対する負担も少なく、また一度覚えてしまえば安定して得点を得ることができる試験科目といえます。

 

2 内容がわかりやすい

さらに、経済法は内容が非常にわかりやすいです。例えば、独占禁止法では、市場の競争機能という観点から規制すべき行為類型が定められています(この点において、刑法と類似していることがわかります。刑法でいう犯罪類型行為が独禁法でいう規制対象となる行為類型です)。そして当該規制類型に該当するか否かを判断する際には、形式的に条文上規制された行為にあたるかどうか、及び実質的に市場の競争機能に悪影響を及ぼす効果を有するか否か、という2つの観点から判断されることになります。

 

4 経済法の勉強法

ここでは、経済法で高得点を取るために必要な勉強法について詳しくご紹介します。ただやみくもに学習するのではなく、きちんと対策を練ったうえで学習することが重要です。そのため、以下の点を意識したうえで学習することで、より安定して、経済法の分野で高得点を得ることができます。

 

1 答案の型(思考方法)を覚えることが大切

独禁法の答案の枠組みを覚えることが大切です。まず、独禁法では規制対象となる行為を特定する必要があります。そのためには、①問題となり得る条文を見つけ出す(条文の抽出)→②当該条文をもとに条文解釈を行う(客観的な行為要件の検討)→③同時に当該行為が独禁法が規制しようとしている効果を生じさせる効果があるか(実質的な効果の検討)といった流れを意識することが大切です。

このような流れを理解し、意識した勉強をするだけ独禁法の理解度が大きくことなってきます。

①については、問題文から規制対象なり得る行為を見つけたうえで、適用されるであろう条文にあたりを付けることが必要です。そのため、日頃からどの条文がどのような行為を規制しているのか、といった視点で条文の理解を進めるとよいでしょう。

②については、条文の解釈が重要になります。その際、規制趣旨から丁寧に論じることが大切です。ですので、単に規範を覚えるのではなく、条文の趣旨を意識したうえで趣旨から規範を導くといった思考で常に規範を理解するようにしましょう。

③については、効果面から行為を考えることが大切です。つまり、規制対象となる行為は規制すべき効果(弊害)が生じるからこそ、規制されています。そのため、客観的な行為それ自体に該当したとしても、効果面で何ら弊害(独禁法が規制しようとしている効果)が生じなければ、そもそも規制すべき意味がありません。

上記のことを基本書や問題演習を繰り返すなかで、常に思考パターンとして意識をして学習することが肝要です。

 

2 インプットよりもアウトプットをメインに学習すること

そして、独禁法では、あてはめ力が問われる試験です。

司法試験の経済法の問題を見てみると、令和5年度の問題では設問として「甲製品協会による本リサイクルシステムの構築・実施について、私的独占の禁止及び公正取引の 確保に関する法律上の問題点を分析して検討しなさい。」と記載されているだけです。

この文面からもわかるように、問題文の指示が他の試験科目と比較して、非常に抽象的な文言になっています。そのため、問題文上から、具体的な事実を抽出し、条文解釈をしたうえで丁寧にあてはめをしなければ得点は延びません。

そして、あてはめが重視される科目である以上、当てはめの力を伸ばさなければいけませんが、これは基本書を読み込むだけでは力は尽きません。実際に問題を解き、自分の手で自分の言葉で答案を作成しなければあてはめの力は延びません。ですから、インプットがある程度終わった段階で、早いタイミングでアウトプットの練習をすることが大切です。

その際は、単に答案構成で終わるのではなく、答案を実際に書くことが重要です。はじめは時間がかかるかもしれませんが、その繰り返しをすることにより着実にあてはめ力が身に付き、自然と経済法で高得点を得ることができるようになっているはずです。

 

3 過去問演習を数多くこなすこと

では、アウトプットの教材として何がよいかというと、やはり司法試験の過去問です。司法試験の過去問は、問題が洗練さ、司法試験委員がどのような意図で出題をし、どのような答案が優良な答案として評価されているのかも、出題趣旨や採点実感を参照することで知ることができます。

そのため、過去問演習を何度も繰り返し、その度に何度も出題趣旨や採点実感を参照するといった勉強方法をすることが大切です。

 

まとめ

以上、司法試験の選択科目の1つである経済法について、具体的な勉強方法や試験内容、出題傾向などについてご紹介しました。

経済法は司法試験選択科目の中でも比較的受験者が多い科目の1つです。そのため、受験者間でのレベルも高いため、適切に対策を取らなければ合格点を勝ち取ることはできません。ですので、本コラムを参照して頂き、経済法の勉強方法や学習ポイントを抑えて頂ければ、より確実に合格点を取ることが出来ます。

ぜひ、本コラムを何度も読んで頂き、司法試験経済法の学習に役立てて頂ければと思います。

 

 

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