【就活情報】伝わる自己PR&志望動機作成ポイント
目次
伝わる自己PR&志望動機作成ポイント
目次
1.伝わる自己PRを作るための視点
2.長所と短所
3.自分を表すキャッチフレーズとは?
4.自分と会社・仕事とのマッチングのポイント
5.志望動機を考え、伝える為に
6.「言いたいことを言う」のではなく、「伝わるように伝える」こと
7.自己PR・志望動機が書けないとしたら…
1.伝わる自己PRを作るための視点
前記事では、3つのワークをもとに自己理解をしていきました。これは、「自分はこのような人間です」という自身の特性を明確化したことになります。
次に、自己PRを作るための流れとして、自分の特徴を明確化していく必要があります。これは、他者と関わりの中で見えてくる際立ちや差異です。
まず、“主観的に”自分を自覚することが必要です。自分が思う自分の特徴はどのようなものがあるのか。思いつくことをどんどんあげていきましょう。
「心がけていること」や「自覚していること」は、思いつきやすいものです。これとともに、“自分では当たり前だと思ってやっている行動”にも着目してみましょう。自分にとっては当たり前すぎて気づかない事でも、他人から見たら素晴らしい!ということがあります。そして、無意識にやっていて再現性のあるものが、あなたの本当の特徴だということがあります。ここに気付くためには、“他人の目”が必要です。近しい人などに「私はどんな人?」「私らしいと思った出来事はありますか?」と聞いてみるのも有効です。
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◆自己分析のポイント
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2.長所と短所
面接などでの定番質問。この質問の意図は何だと思いますか?
相手はあなたの美点や欠点を知りたいのではありません。“自分自身をどのように捉えている人なのか”ということを知りたいのです。
また、「長所」「短所」といっても、あなたの性格や行動パターンの特徴に過ぎません。ある意味、短所は、特徴を一方向から見たもの。見方を変えてみると長所に成り得ます。例えば、「優柔不断」は「他人の意見に耳を傾ける」、「我が強い」は「自分軸を持っている」という特徴に言い換えることもできます。短所にばかり目が向く人は、このように焦点の当て方を変えることで、自分の特徴が明確になります。
3.自分を表すキャッチフレーズとは?
あなたを表す構成要素はたくさんあります。いくつかの自覚できた特徴を整理し、自己PRにつなげていきます。次のワークシートを使ってください。
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◆ワークシートダウンロード
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まず、自分の特徴をキャッチフレーズのようにあげてみましょう。
ここでは、ポジティブな表現であることがポイントです。【協調性がある】や【思慮深さがある】などです。「一緒に働きたい!」と思ってもらえるように、伝える相手に届きやすいような言葉を選ぶこと。謙虚すぎる表現や、わざわざネガティブな表現にする必要はありません。
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続いて、その言葉の自分なりの定義づけをします。
「優しい人」と言っても、人によって意味することは違う場合があります。例えば他人の欠点を指摘することを優しさとする人もいれば、気づかないふりをしてあげることを優しさだとする人もいます。どちらがいい悪いではなく、人それぞれです。自分にとっての定義づけが大切です。
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そのように思う理由や具体的な行動をあげましょう
この特徴を大切に思っていたり、気に入っていたり、こだわっている理由や、この特徴を発揮している時の自分の具体的な行動などを上げます。「その人らしさ」が見えてくる部分です。
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この特徴を発揮した具体的なエピソード
特徴とは他と比べて特に目立つ点であり、何度も使っている=再現性があるため、まつわるエピソードはいくつかあるはずです。とっておきの経験だけでなく、日常の出来事も含め、振り返ってみましょう。
このシートは、自己PRのアウトラインになります。2枚書き込めば、あなたを構成する6つの特徴と18個のエピソードがピックアップされます。希望事務所の求める人物像が想定できた時には、それに合う自分の特徴を組み合わせて伝えていくことができるようになります。
キャッチフレーズに通し番号をつけて、「この事務所の求める人物像から行けば、3番と6番と7番を組み合わせたものを伝えていこう」というように戦略を立てていくのです。
4.自分と会社・仕事とのマッチングのポイント
就職活動は、内定をもらうことがゴールではありません。毎日事務所でその仕事をするという日々が待っています。“自分に合う”とは、自分の特徴や価値観やありたい姿に近い環境に身を置くことが出来ることです。しかし、残念なことに希望が100%叶えられる組織や仕事はありません。いくつかの構成要素の中で、どの部分は受け入れたり折り合いをつけられるのか、どの程度までなら許容(我慢ではないです!)ができるのか、どの部分はゆずれないのかをしっかりと自覚をしておくことが大切です。どれくらい重なり合うのかを知ることが、マッチングのポイントです。
事務所のホームページや様々な情報を、「この部分は共感できる!」「ここはちょっと違うけど、まあ許せる範囲かな…」「いやー、これは無いだろう…」というような視点で眺めていきましょう。
そして、収集した情報を、自分の経験や思いなどと結び付けて希望事務所(企業)側に伝える準備をします。情報を自分なりに考えているか、自分の経験・体験を踏まえて噛み砕いて理解できているか、事務所の価値観に自らの行動を近づけてとらえられているか。借り物の言葉やどこからかの受け売りではなく、「自分の言葉で語る」ことが大切です。
5.志望動機を考え、伝える為に
企業の特徴と、自分との共通点が見えてきたら、いよいよ伝える内容を精査していきます。
そのための流れが次の3点です。
- 自分の特徴をリストアップ。(キャッチフレーズシートに連動)
- 特徴から得られる事務所のメリットを考る。
- そのメリットを得た事務所のベネフィットを想像。
メリットとは利益、ベネフィットとは利益から得られる未来像です。
つまり、自分の得意なこと・苦手なこと、どのような時にやる気になり、どのように働いていきたいのか。仕事を通してどのような日常を送り、社会に対してどのような貢献をして、どのような人になっていきたいのか。
そして、「この事務所の求めている人は、こういうときに、このような考え方をし、このように行動が取れる人だ」という事を推察し、「それでしたら、自分にはこのような特徴があるので、ぴったりだし、採用することでこんなにいいことがあります!」ということを、先方に伝えていくのです。
6.「言いたいことを言う」のではなく、「伝わるように伝える」こと
自己PRのポイントは、「何を伝えればあなたが満足するか」ではなく、「他人が聞いて納得することができるのか」です。「自分が言いたいことが言えた!書けた!」と満足をするのではなく、大事なのは、相手がそれをどう判断するのか、なのです。
そこで、相手の立場に立って、出来上がった自己PR・志望動機を検証してみましょう。この場合の相手とは、“事務所の未来を担う人材を選別する仕事をしている人”です。この人に、「一緒に働きたいな」と思ってもらう事が目標です。それをふまえ踏まえて、伝わるように伝えていくことが必須です。
例えば、長所・短所としてあげた特徴は、一緒に働く仲間としての視点で見ると、どのようにうつるのでしょうか。次の二つの文章を読んで、どのような印象を受けますか?相手の立場にたって考えてみましょう。
『人と違うという事にこだわり、自分の意見は何としても実現させようとする意志の強さ』
『人と違う点に興味があり、自分の意志を貫くために必要な行動は惜しまない』
ひとつめは、ある事務所(企業)にとっては頼もしいと映るかもしれませんが、別の事務所(企業)では協調性がないと取られる可能性もあります。「相手にどのように見えるのか?」という視点を持つと、同じことでも違う表現を選んだ方が伝わりやすいことがあります。「自分らしさ」の表現にこだわり、誤解を招いたり、見当違いのアピールになっていないかという事に気を付けましょう。
7.自己PR・志望動機が書けないとしたら…
自己PRや志望動機は、ひとりで書き進めることが難しいと感じることもあります。その原因は、手元にある情報が足りていないということです。
自己PRが書けないのは、自分自身の情報が足りていないのです。その時は、自己理解・自己分析をしていきましょう。
志望動機が書けないとしたら、相手(希望する事務所)の情報が足りていないのです。ホームページやニュースに取り上げられていないかなどネット情報を検索したり、説明会に参加して質問をするなどの活動をしていきましょう。また、自己理解・自己分析ができていれば、面接中に質問をしながら情報収集をし、自分の情報に照らし合わせて受け答えをしていくことも可能になります。
「私はこんな人です」ということを、しっかりと言語化しておくことが、内定獲得のポイントとなります。
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◆筆者プロフィール
菊池啓子(きくちひろこ)・キャリアコーチ 国家資格キャリアコンサルタント
株式会社リクルートの営業を経て独立。「自ら選んで、とべ!」という理念のもと、自らの望む生き
様を実現させたいビジネスパーソンの育成に力を注ぐ。企業研修トレーナーとして従業員 30 名ほ
どの中小企業から TOYOTA、オムロン、三菱地所など大手上場企業まで 50 社以上の企業研修を
実施。若手から管理職まで幅広い層の育成を手掛け、年間登壇数は毎年 100 回を超える。また、ア
スリートのメンタルサポートや3つの大学で講師としてキャリアデザインを担当。
著書に『一週間で完成!内定獲得できる本~ストレスに負けない就活コーピング~』(祥伝社)。
公式 LINE にて「ストレス対処法」「ビジネスコミュニケーションのコツ」
「自分の望むキャリア選択のヒント」などを毎朝コンパクトに発信。