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2回試験について(総論) written by 76期司法修習生 佐藤 和樹

2回試験について(総論) written by 76期司法修習生 佐藤 和樹

1 はじめに

今回は、司法修習生考試(いわゆる「2回試験」と呼ばれる試験です)の概略ついてご紹介します。

司法試験に合格し、1年間の司法修習を経た後、法曹資格を取得するためにはこの「2回試験」に合格をしなければいけません。
具体的にどのような試験か情報が少ないこともあり、よくわからないことが多いと思います。そこで、本記事では「2回試験」についての概略を詳細にご紹介します。

 

2 2回試験について

1 そもそも2回試験とは?

2回試験とは、修習期間の最後に実施される試験をいい、これに合格することで司法修習生は法曹資格を取得することになります。
そのため、司法試験に合格したからと言って直ちに法曹資格を取得することができるわけではなく、この「2回試験」に合格をする必要があります。
なお、2回試験と呼ばれているのは、諸説ありますが、司法試験の次の試験という意味(つまり、2回目の試験)があるようです。

 

2 2回試験のスケジュール

では、次に2回試験のスケジュールについてご紹介します。

(1)実施時期

まず、実施時期は、司法修習の最後の時期、具体的には選択型実務修習を終えた後に実施されます(76期の場合は、11月16日から22日(土日を除く)の5日間に渡り、実施されました。77期以降は修習開始時期が76期と異なるため、2回試験の日程も多少変動するかもしれません)。

(2)試験科目

試験科目は、民事裁判、刑事裁判、検察、民事弁護、刑事弁護の5科目になり、1日に1科目を行います。

(3)試験時間

試験時間は、10時20分から12時まで及び13時から17時45分までの合計6時間25分(答案起案時間)になり、12時から13時までの1時間は昼食休憩の時間となっておりますが、休憩時間も起案をすることができます(多くの受験生は昼食を軽く済ませ、休憩時間も起案をしている方が多かった印象です)。もっとも、昼食休憩であっても、試験時間中は、試験会場から出ることはできませんので、事前に昼食を購入しておくことが肝要です

また、答案起案時間終了後に、答案綴り込み時間が5分間与えられています。答案綴り込みとは、自ら起案した答案を自らが綴り紐で結ぶ時間をいいます。

2回試験の答案は、司法試験の答案と異なり、答案の頁数を自らが書き込み、最後に表紙を含めた答案を綴り紐で結ぶことをしなければ、有効な答案として回収されません
ですので、答案起案時間とは別に、答案綴り込み時間が与えられています。

受験者は、途中退出も認められおり、早めに起案が終了した場合は、答案起案時間終了前に答案を綴り、提出したうえで、退出をすることも可能です。

試験室への入室可能時刻は、9時30分、着席時刻は、9時45分となっており、あまり早めに試験会場に到着してしまうと試験室前で長いこと待機することになりますので注意が必要です。

(4)持参物等

六法は持参不要です
2回試験で利用する六法は、デイリー六法です。デイリー六法は貸与されますので、受験生は事前に購入しておく必要がありませんのでご安心ください(司法試験とは異なり、2回試験終了後は使用したデイリー六法は試験会場に置いたままにし、持ち帰ることはできません)。

ご不安な方は、2回試験に向けて、普段利用する六法もデイリー六法にしておくと安心があるかと思います。

 

筆記用具等
答案では黒のインクのペン(ボールペン、サインペン及び万年筆を含む)になり、司法試験と概ね同様です。
司法試験と異なるのは、付箋(2色)が配布されることです。2回試験の試験問題は文量も大変多く、情報を整理する必要があり、その際、配布された付箋を利用するとよいです。

自分のオリジナルの付箋は利用できませんので、注意が必要です(修習中の起案では、持参した付箋の利用が許されていますが、2回試験では許されませんので、2回試験に向けて付箋の色や形等を事前に決めておく必要性は乏しいと言えます)。

 

軽食
また、2回試験は長時間にわたる試験ですので、チョコ等の軽食は事前に卓上に置いておくことで、試験時間中であっても食べることができます。

 

3 試験会場

試験会場は、実務修習地が大阪、京都、神戸、奈良、大津及び和歌山以外の司法修習生及び再受験希望者は司法研修所、上記修習地の修習生は新梅田研修センター(大阪市福島区福島6丁目22番20号)です。

新梅田研修センターの場合、長机に1名が座ることができるので、比較的幅広く卓上を利用することでき、隣の座席の人が気なることはありませんでした。

 

4 宿泊施設

2回試験の疲れや遅刻、公共交通機関の遅れ等を考慮し、2回試験の期間中、試験会場の近くに宿泊をする受験生が多い印象です。
司法研修所のいずみ寮に入寮をしている修習生は困ることはありませんが、それ以外の修習生で試験会場から自宅まで、一定の距離がある修習生は宿泊施設を事前に予約しておくとよいでしょう。

2回試験直前になると、多くの修習生がホテルを予約することになるので、早めに予約をしておくことをお勧めします。

 

3 まとめ

このように、2回試験では司法試験と異なる部分が何か所かあり、事前に知っておくことで試験に対する安心感も異なります。
本記事では、2回試験の概略についてご紹介をしましたが、各科目ごとの特徴や実際に2回試験を受験し終えての感想等については、また別の記事でご紹介したいと思います。

 

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