【司法修習生座談会レポート】 司法試験や修習生の就活に関する悩みについて第74期修習予定者の皆さんに聞いてみました!!
目次
1.はじめに
弁護士求人ナビでは、司法試験受験生や司法修習生、そして転職を希望される弁護士の先生方に向けて有益な情報を届けられるよう、トピックス記事を通して、情報配信をしていきたいと思っています。
そこで、どのような情報を配信したら、皆様の役に立つのか・・・と色々と調べていたのですが、そもそもwebサイト上にある情報は必要な情報が網羅されているのだろうか?本当に必要とする方に、必要な情報が届いているのだろうか・・と疑問が沸いてきました。
というのも、現在、第74期司法修習予定者の皆様の就職相談をお受けしているのですが、皆さん「何から始めたらよいのか・・」「いつから始めたら良いのか・・」、「そもそも、どうやって情報を探したらよいのか・・」と、最初の一歩をどう踏み出したら良いのかで悩んでいる方が非常に多いように感じました。
情報過多の世の中になってきてはいますが、細かい単位で見ていくと、まだまだ不足している情報があるのかもしれないと感じています。一方で、情報はあるけれども、活用できていない、必要としている人が見つけることが出来ていない、そのようなことも多いのかもしれません。
弁護士求人ナビは、今まで情報が届いていなかった皆様に情報が届く、カユイところに手が届くようなサイトを目指していきたいと思います。
2.司法修習生の生の声を聴く!!
まずは、何よりもリアルな声を聴くのが一番!ということで、Twitterやnoteで活動されいたぽんぽんさんにご協力いただき、修習生4名の方にお集まりいただき(もちろんZoomです)、あれやこれやと色々と質問をさせていただきました!
1時間の予定がうっかり大延長で1時間半以上(2時間近かったような・・・)お話しさせていただきました。こちらの記事では、キャリアコンサルタント目線で感じたことをお伝えしていきます。
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ぽんぽんさんのTwitterはこちら
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3.座談会から見えてきたリアル ~司法試験受験生の悩みとは・・~
司法試験受験生の悩みは100人いれば、100通りの悩みがあり、一括りにすることは出来ませんが、ここでは私が感じた3つのケースを挙げさせていただきたいと思います。
ケース1.頑張り屋タイプは要注意!頑張れば頑張るほど不安が膨れ上がる・・
模試や答練には全て参加。教材もあれもやらないと、これもやらないと・・と、手を付けてしまい、あれも、これも出来ていない・・と不安になってしまうケースがあるようです。特に最近はオンラインの普及により安価で沢山の教材が提供されていますので、より陥りやすいケースかもしれません。
ケース2.走り出したからには方向変更はできない・・・やり切らないと・・
予備校派、ロースール派、〇〇先生派、それぞれ司法試験にも流派(派閥)があるようです。一度所属した流派を裏切れない、一度始めたテキストは最後までやり切らないと・・個別指導を受けている場合には、先生を裏切れない・・等、様々な事情により、自分には合わないかも・・と感じても、軌道修正が出来ずに進み続けてしまうケースもあるようです。
ケース3.自分に厳しく追い込みすぎてしまう・・・まだまだ、、まだまだ・・
「勉強しなくてはいけない・・」「まだ足りない、まだ足りない・・」と、強迫観念に押し潰されてしまい、体調を崩してしまうケースもあるようです。時には追い込むことも必要ですが、体調を崩しては元も子もありません。難しいですが、何事もバラが必要ですね。
ロースクールでの人間関係や、予備校での人間関係があるとはいえ、司法試験受験勉強中はどうしても孤独を感じやすいようです。同じ司法試験受験生同士だからこそ、相談できないこともあるようです。そんな時は、司法試験のことはわからないかもしれませんが、フラットに話が出来る方に早めに相談をしてみることをお勧めします。客観的な情報も入れながら冷静に状況を判断し、再度方向を定めることが結果的に近道になることも多いです。
4.座談会から見えてきたリアル ~弁護士の就活における3つの悩み(不安)とは・・~
今回の修習予定者との座談会や日頃お受けしている就活相談から感じた、弁護士の就活における悩み(不安)は大きく分けると次の3つではないでしょうか。
1.就活に関する情報がわからない
・いつ、どこで情報を収集したら良いのか
・就活は何から始めたらよいのか
・応募書類には何を書いたら良いか?フォーマットは何が良いか? 等
2.弁護士として何をやりたいか、自分に向いているのかがわからない
・一般民事が良いか、企業法務が良いのか、分野は何が向いているのか
・それぞれの分野で実際にはどのような仕事をするのかイメージが出来ない 等
3.就活に対する出遅れ感や、他の候補者との比較による不安
・他の修習生はもう内定が出ているのだろうか
・もう選考が終わってしまっているのではないか
・試験順位があまり良くなかったが大丈夫だろうか 等
5.キャリアコンサルタント目線からの考察 ~一般的な就活と弁護士の就活の違い~
一般的な企業の就職活動と違い、弁護士の就職活動には一斉スタートのタイミングがありません。最近の新卒採用ではインターンシップや、通年採用なども出てきていますので、実際には一斉のタイミング以外でも動きはありますが、まだ多くの企業では同じタイミングで採用活動が実施されています。
<法律事務所の採用活動タイミング(例)>
・予備試験後
・サマークラーク実施時
・司法試験実施前
・司法試験実施直後
・司法試験合格発表後
・司法修習地決定後
・司法修習期間中
また、弁護士の就職活動では、採用活動を実施しているかどうかがわかりにくい事務所も多く、公には採用活動はしていないが、ゼミの繋がりやOBの紹介限定で門戸が開かれているケースもあるようです。
一般的に司法修習生の採用に関する情報は、「ひまわり求人求職ナビ」や「アットリーガル」、「ジュリナビ」、事務所ホームページ等がメインで、私たちのような求人媒体は経験弁護士の採用に関する情報がメインで、修習生向けの就活情報は少なくなっています。ビジネス的な観点から考えると仕方ない面もありますが、私から見ても情報収集が難しいと感じていますので、初めて就職活動をされる修習生の皆様にとっては、非常に優しくない環境ではないかと思います。
一方で、就活に臨む準備は、基本的には同じだと感じています。
・自己分析
・企業(事務所)研究
・面接対策
面接をしてくれるのは、人事の担当者でなくほとんどのケースが弁護士の先生方だとは思いますが、その他のことは特に違いはありません。大切なことは、相手の立場に立て考えること。面接官は何を知りたいと思っているのか。その点をしっかりと意識して準備されると良いと思います。
◆オンライン面接での注意事項はこちらの記事を参照
【修習生向け】弁護士の就職活動とは? 備えあれば憂いなし!オンライン面接で後悔しないための注意事項と心構え
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6.キャリアコンサルタント目線からの考察 ~自己分析の重要性~
受験勉強においても、就活においても、大切なことはたくさんありますが、その中の1つが自己分析では何でしょうか。受験勉強でも自己分析が必要なのか?と、感じたかもしれませんが、今回の座談会を通して受験勉強こそ、自己分析が必要だと感じました。一人一人自分に合った勉強法があることはなんとなく感じていると思います。
<記憶法>
・書いて覚えるタイプ
・声に出して覚えるタイプ
・見て覚えるタイプ
・映像で覚えるタイプ 等
<モチベーション>
・ライバルがいることで頑張れるタイプ
・追い込まれないと火がつかないけど、火が付くと強いタイプ
・ゲーム性がないと(楽しくないと)頑張れないタイプ 等
<環境面>
・個別ブースのような環境が集中できるタイプ
・広い空間で他の人もいるほうが集中できるタイプ
・しずかな環境の方が、勉強がはかどるタイプ
・音楽などを聴きながらの方が、勉強がはかどるタイプ 等
他にも、色々なタイプがあると思います。講師であれば、人に対する好みのタイプや、声の好みなども影響してきます。
ご自身がどのタイプなのかを把握したうえで、そのタイプに合った講師、教材、勉強法を選ぶことが大切です。タイプが違っていれば、合う勉強法も異なりますので、友達にとって最良の先生も、あなたにとって最良の先生とは限らない・・ということです。あまり色々と考えすぎても選べなくなってしまいますので、やってみて違和感がある場合は、タイプが異なる可能性があることを疑ってみることをお勧めします。
自己分析の詳細については、別の記事で詳しく触れたいと思います。
7.まとめ
今回、実際に第74期修習予定者4名の方のお話をお伺いし、司法試験という大きなプレッシャーから解放されたと同時、または、それ以前から訪れる就活に対する不安は、司法試験を経験したことのない私には計り知れないものがあると改めて感じました。特に、複数回の受験(多浪)を経験されている方は、周りの友人が就職していく中、受験勉強を続けることに対する心理的なプレッシャーや、焦りも大きいのではないでしょうか。
司法試験受験にしても、就職活動にしても表に出てくるのは、成績が優秀な方であったり、順調に結果に繋がった方の事例がほとんどです。SNSなどに関しても同様だと思います。成功者の声を聴くことで、プレシャーを感じたり、焦りに繋がったり、自分はダメなのだろうか・・と不安が強くなったりしてしまうこともあるそうです。
弁護士の就職活動は短期決戦で、タイミングが早すぎても、遅すぎても必要な情報に出会うことが難しいと感じています。適切なタイミングで、適切な方に必要な情報を届けることが出来る。弁護士求人ナビはそんなサイトを目指していきたいと思います。
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